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記事監修:司法書士・行政書士 吉田隼哉
マンションの個人間売買
他の記事(≫戸建ての個人間売買の注意点とは)では、「戸建て」に関して個人間売買の注意点を解説しましたので、こちらの記事では「マンション」について解説していきます。
マンションを個人間売買する場合の注意点とは一体どのようなことがあるのでしょうか。戸建てや土地の場合と違う問題点とは?
ここでは、マンションの個人間売買に着目して解説していきますので、これからマンションの個人間売買をしようと考えている方の参考になれば幸いです。
まず初めに、不動産売買の難易度について触れておこうかと思います。
一般的にマンションと戸建てを売買する場合、どちらの方が難しいと思いますか?
なんとなくのイメージでは、共同住宅であるマンションの方が色々と面倒なことがあるように考えてしまいがちですが、実際は戸建ての方が売買は難しいです。
マンションよりも戸建ての方が建物自体に見えないトラブル(瑕疵)を抱えている可能性が高いですし、土地に関わる論点(建築基準法、法令上の制限等)も難しいです。
鉄筋コンクリート造りのマンションであれば、建物躯体部分に大きな問題があるケースは稀でしょうし、建物が傾いている可能性も限りなく低いです。
これらの理由から、戸建てよりもマンションの売買の方がシンプルで、不動産業者を通さない親族間や個人間売買に適していると思います。
マンションは戸建て住宅と違って、管理費や修繕積立金といったものが発生します。この管理費等を現在の所有者が払っておらず滞納していた場合にはどうなるのでしょうか。
実は、この滞納していた管理費や修繕積立金は、売主だけでなく買主にも支払い義務が生じます。買主としては、売主が滞納をしたものをなぜ自分が支払わなければならないのか理解ができないかもしれませんが、法律がそうなっている以上は仕方ありません。
この管理費や修繕積立金の滞納金の支払い義務の承継について認識していないまま、マンションの個人間売買をしようとしている方は非常に多いです。仲介会社を関与させる場合には間違いなく管理費等の滞納状況を確認したうえで売買を行いますが、個人での取引の場合には見落としがちなので注意が必要です。マンションを個人間売買で購入しようと考えているのなら、事前にそのマンションの管理組合や管理会社に滞納状況を確認することが必須といえます。
なお、管理費等には時効の適用があります。平成16年4月23日付最高裁判決では、管理費等は「金銭その他物の給付を目的とする民法169条所定の定期給付債権に該当する」として判示され、5年で消滅時効となります。
通常の不動産取引では、決済日(売買代金の支払と所有権移転登記を行う日のこと)を基準として、管理費と修繕積立金の日割り精算を行います。これは管理費等の滞納とは関係なく行いますので、事前に管理費等の月額と支払日(引落日)を管理組合や管理会社に確認するようにしましょう。
ただし、「親族間での取引だから日割り精算は面倒だからやめましょう。」「友人同士だし日割り精算はいいよ」といった合意があるのなら、あえて日割り計算をしない方法もあります。
当センターでいままで受けた事例では、親族間での売買の場合にはあまり日割り精算算を行っていない印象です。おおよそ、親族での話し合いで管理費等の支払い者を決めてしまう方が楽なのかもしれません。
戸建て住宅では、不動産の売買契約を締結して登記申請を行えばいいのかもしれませんが、マンションの場合にはもう一歩することがあります。それはマンションの「区分所有者変更届け」です。
法務局の登記申請をしたことによって登記名義を変更したとしても、管理組合や管理会社の方ではその変更の事実はわかりません。こちらから積極的に届け出をする必要があります。この変更を怠ると、旧所有者である売主の方へ以前と管理費等の請求がいってしまいますので、決済があったらすぐに行うようにしましょう。決済日に備えて、事前に管理組合や管理会社に区分所有者変更届けの用紙をもらっておくのもいいかもしれません。(関連記事 ≫区分所有者変更届とは)
「敷地権化された区分建物は、分離処分が禁止されているので、専有部分を所有権移転すれば敷地にその効力が及びます。」
この言葉を聞いて理解ができる方は、まずいないと思いますが、不動産業者や司法書士では初歩的な知識です。
ここで説明をすると長くなってしまうので割愛しますが、区分マンションは専有部分と敷地という考え方がありますので、その点の理解ができていないと権利上の問題が起きてしまう可能性があります。
敷地権化されているか否かで、登記手続きの方法・申請件数が異なってしまうことがありますので、わからないのであれば司法書士に依頼をするのが賢明でしょう。
ここまで解説をしたようにマンションの親族間売買や個人間売買では様々な注意点があります。当センターではいままでに数多くの売買を経験していますので、不動産会社を通さない個人での売買のことなら当センターまでご相談ください。
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なお、「個人間売買」のことをもっと詳しく知りたい方のために、不動産の個人間売買・親族間売買に関する当センター事例集・情報・基本知識から応用知識、参考資料や見本など、当サイトのありとあらゆる情報を詰め込んだ総まとめのページがありますので、下記をクリックしてそのページへとお進みください。
この記事の監修者 / 司法書士・行政書士法人よしだ法務事務所 代表司法書士 吉田隼哉
大手不動産会社で勤務後、不動産系3大国家資格である宅地建物取引士・管理業務主任者・マンション管理士を取得。司法書士・行政書士法人よしだ法務事務所を開業し、相続・遺言・個人間売買の三本柱で業務展開。ご依頼者に対しての総合的なサポートを目指す。
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不動産会社の関与がない個人での不動産売買であったとしても、司法書士等の国家資格者を入れるべきというのは本サイトをご覧頂いた方々には説明不要でしょう。
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1.不動産の仲介手数料はどれくらい?
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40.建築確認を得ていない違法建築物の売買
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45.住宅取得等資金の贈与税非課税枠とは
46.地価の上昇地域と下落地域
47.不動産売買契約書に実印を押す意味
48.既存不適格物件の売買の注意点
49.個人間売買・親族間売買と不動産会社
50.個人間売買・親族間売買と司法書士
51.個人間売買・親族間売買と行政書士
52.個人間売買・親族間売買と不動産鑑定士
53.個人間売買・親族間売買と土地家屋調査士
54.個人間売買・親族間売買と税理士
55.個人間売買・親族間売買の依頼について
56.不動産売買契約に必要なもの
57.遠方不動産を個人間売買
58.親子間売買まとめ
59.兄弟間売買まとめ
60.中古マンションの価値と個人間売買
61.個人間売買は更地がいいか
62.建物滅失登記とは
63.一般的な不動産売却の流れと期間
64.登記済権利証と登記識別情報の違い
65.投資用不動産の個人間売買・親族間売買
66.相続不動産の遺品整理・残置物撤去
67.建物解体工事について
68.土地の分筆と合筆とは
69.空き家の放置で固定資産税が6倍に?!
70.危険負担とは/売買の前後の建物崩壊
71.売買で所有権移転登記をする意味
72.住居表示実施による住所変更登記とは
73.抵当権設定と住宅ローン
74.所有者の名前が外字の場合の注意点
75.親族間での売買と贈与の比較
76.親族間売買と銀行融資(住宅ローン)
77.残金決済とは
78.個人間売買での価格の決め方について
79.親族間売買での価格の決め方について
80.不動産の登記簿謄本の取得方法
81.不動産の登記簿謄本の読み方
82.親族間売買と3000万円の特例
83.認知症の親と親子間売買は可能か
84.法人と代表取締役との不動産売買
85.権利証を紛失した場合の個人間売買
86.割賦契約の方法とは①
87.割賦契約が親族間売買に向いている理由②
88.割賦契約を利用する場合の4つの注意点③
89.大家と借主間での個人間売買の方法
90.管理費を滞納したマンションの個人間売買
91.売買契約時に行う手付金の取り決め方
92.土地の一部の売買を個人間で行う場合
93.公簿売買とは
94.個人間売買の固定資産税、都市計画税の日割り清算
95.不動産会社との3つの媒介契約
96.媒介契約中に自分で売却先を見つける
97.再建築不可物件とは
98.地主から借地を購入する
99.遺言に記載した不動産を子供に売却することはできるのか
100.第三者を介さず個人間で不動産を売買する
101.抵当権の抹消をし忘れた不動産の売買
102.当事者が遠方の場合の個人間売買
103.個人間売買の事前準備
104.個人から法人への不動産名義変更の方法
105.共有持分についての親族間売買
106.親子間売買を使った相続税対策
107.自分で親族間売買をする方法
108.親族間売買の3つの方法とは
109.共有状態・権利関係を整える方法として親族間売買
110.ホームインスペクションとは
111.ホームインスペクションの作業風景
112.親族間売買と住宅ローンまとめ
113.売主が引越しまでにやるべきこと
114.収益物件を分割払いで購入し家賃で支払う
115.親族間売買で分割払いの条件の決め方
116.分割払い期間はどれくらいにすべきか
117.分割払いの内容を途中で変更できる?
118.分割払いではいつ所有権移転できる?
119.売買代金を分割払いにしたら税金は?
120.親族間売買で分割払いにする方の特徴
121.売主へ分割払いを提案する方法
122.分割払いに金利を設定すべきか
123.親族間売買と分割払いは相性がいい理由
≫ 親族間売買を行う前の心得
≫ 親族間売買の流れ・スケジュール
≫ 親族間売買はどこに頼むのか?
≫ 親族間売買に向いている人って?
≫ 親族間売買は相続発生を想定して検討する
≫ 親族間売買をすることを他の兄弟に言うべきか?
≫ 親族間売買の分割払い中に売主か買主が死亡したら
≫ 親族に不動産を売るメリット・デメリット
≫ 親族間売買は住宅ローンが残っていてもできる?
≫ 親族間売買をした人の属性・特徴
≫ 親族間売買をした人の理由・キッカケ
≫ 親族間売買を断念した人
≫ 親族間売買の一般的な相談内容とは
≫ 親族間売買の依頼から完了までの平均的な期間
≫ 親族間売買にかかる平均的な費用・税金
≫ 親族間売買の実務的な契約条項
≫ 親族間売買を当センターへ依頼した理由・感想
≫ 親族間売買をした後に当事者が死亡したケース
≫ 親族間売買の失敗例
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≫ 親族間売買は融資が通っても金利が高い?
≫ 親族間売買のこれから
≫ 夫婦間売買を使って夫名義の住宅ローンを完済
≫ 施設にいる親族との親族間売買
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≫ 親の生活資金援助を目的の親子間売買
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1.子供が所有する投資用マンションを親が購入
2.兄が所有するマンションを兄から購入したいが手続きがよくわからない
3.隣同士で古屋付きの土地を売買したい
4.賃貸で借りている家を大家から買うことになったので個人で売買したい
5.老後資金を持たない両親のため、親が所有するマンションを購入したい
6.自己所有マンションを売却した代金で姉から戸建て住宅を購入したい
7.相続で義理の兄弟と共有になってしまった実家の持分売買
8.権利証を紛失した実家を親子で売買したい
9.親を住まわせるためにマンションの隣の部屋を買いたい
10.強制執行されそうな実家を購入して両親をそのまま住まわせたい
11.親にマンションを売った代金で新しい自宅を購入したい
12.相続争いになることが予想されるため親名義を次男へ変更しておく
13.遠方の不動産を親子間で売買したい
14.過去に売買したままで名義変更していなかった場合の手続き
15.個人名義の不動産から法人名義に変更する個人間売買
16.相続税対策の一環としての親子間売買
17.親族間での売買だけど、第三者を間に挟みたい
18.親族間売買の支払いを融資や一括払いから、分割払いへ
19.兄弟間の売買代金支払いを担保するために抵当権を設定する
20.親子間で不動産売買をするが、何をしたらいいのか分からない
21.不動産仲介を受ける必要がなくなった個人間売買
22.売買の当事者の一方が高齢のため、契約場所が限られる
23.元夫婦間の不動産売買
24.義父からマンションを購入したい
25.土地のみの親子間売買(建物は子名義)
26.親が所有する駅前の収益物件を子供が購入
27.父親が所有する戸建てを購入したい
28.共有不動産の持分売買をする事例
29.姉妹間でマンションの親族間売買をしたい
30.お隣の親族同士で土地を親族間売買をした事例
31.両親の住み替えにあわせて実家を親子間売買する事例
32.相続登記と親族間売買を同時に解決した事例
33.リースバックを親族間売買に応用する
34.売買代金で住宅ローンを完済するケースの親族間売買
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36.親族間贈与と親族間売買を併用した事例
37.兄弟共有のアパート持分を親族間売買
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42.関係性が良くない親子間売買の相談
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44.ワンルームマンションを兄弟間で売買する事例
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49.結婚して苗字が変わった姉との親族間売買を解決
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51.2回の分割払いで行う親族間売買を解決
52.義父から戸建てを購入する親族間売買
53.職場の近くで親族間売買をしたい
54.共有不動産の名義を1本化するための親族間売買
55.公正証書遺言へ切り替えて解決
56.親の近所に暮らすため親所有のマンションを購入
57.親族間売買での売買価格の決め方の相談事例
58.親の介護資金のための親族間売買
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60.区分登記された二世帯住宅の親族間売買
61.買い手が見つからない親の不動産を購入
62.遠方の老人ホームまで出張した親族間売買
63.親のマンションを分割払いで購入する親子間売買
64.兄弟3人で共有する土地を親族間売買
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66.終活として親族間売買を活用
67.同じマンションの知人から購入する個人間売買
68.母親名義の土地を長男が購入する親族間売買
69.空き家のまま放置された家を親族間売買
70.お金のない親から実家を購入する親子間売買
71.地主から借地の土地を買い取る個人間売買
72.海外転勤する兄の家を弟が購入する親族間売買
73.税理士から依頼を受けた親子間売買を解決
74.売れない不動産を子供が購入する親族間売買
75.住宅ローンが残った子供のマンションを親が買う
76.相続した実家をお隣へ売却する個人間売買
77.両親が共有のマンションを子供が購入する親族間売買
78.なるべく早く親の不動産を売却したいご相談
79.近所に住む親族の土地を購入する親族間売買
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83.手足が不自由な親族と不動産売買
84.相続税対策としてアパートの親子間売買
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91.親が相続で取得した土地を子供が購入する事例
92.親から贈与を受けた資金で親族間売買
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96.結婚する娘のマンションを親が購入する事例
97.自営業者が親族から不動産を分割払いで購入
98.夫婦間で投資用マンションの売買
99.妻が代わりにローン返済したため夫婦間売買
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